映画『GODZILLA 決戦起動増殖都市』レビュー – 「アニゴジ」第2章公開

映画『GODZILLA 決戦起動増殖都市』レビュー – 「アニゴジ」第2章公開

★★★★★★☆☆☆☆ 6/10

『GODZILLA 怪獣惑星』に続いて、「アニゴジ」第2章が5月18日に公開されました。早速見に行ったので感想をば。

バカでかいゴジラの迫力のある描写やメカゴジラネタの予想外な使い方など観るべきところもありますが、相変わらずストーリー展開に無理があるのが残念なところです。

以下第1章のネタバレ、およびこの第2章も多少ネタバレを含むので未見の方はご注意下さい。

第1章のおさらい

「アニゴジ」は全3部作になっており、今作はその第2章です。完結編の第3章は2018年11月公開予定。第1章はNetflixで独占配信中です。

というわけで一応第1章のあらすじを簡単にまとめると、こんな感じ。

ゴジラの出現により人類は地球を放棄、突然現れた宇宙人と一緒に宇宙船で太陽系外惑星へと安住の地を求める。しかし移住可能な星は見つからず頓挫、ゴジラ撃退の一縷の望みを賭けて地球に戻ると相対論的なアレで2万年経っていた。一度はゴジラ撃退に成功するも、2匹目にとんでもなくデカいゴジラが出現し、これもうあかんやつやん。

こうして改めてまとめるとなかなかのトンデモ設定ですね。ともかくこのやたらデカいゴジラどうすんの、というのが第2章です。

メカゴジラきた!これで勝つる!

第1章でもチラッと出てきたんですが、地球には2万年に及ぶゴジラの支配をまぬがれ地下で暮らす人類の子孫らしき種族が暮らしており、主人公のハルオらは彼らに助けられます。

そしてこの種族は「ナノメタル」と呼ばれる便利物質を利用している事に気がつきます。この「ナノメタル」は元々地球にゴジラが現れた際に、突然湧いて出た宇宙人がその謎技術で「メカゴジラ」を製造してゴジラを撃退しようとしていたもので、自己修復・自己増殖機能を持っており2万年に及ぶ時間をかけてゴジラ撃退に十分な量に増殖していることが明らかに。

この辺りは2万年という設定が生かされており、また単にメカゴジラを製造するだけではない展開もあり、観客の予想を裏切る工夫も見られます。しかしゴジラを倒す展開が第1章と同じになってしまい、設定上しょうがないとは言え退屈にも感じます。

ストーリー展開は相変わらずザル

第2章のキモとしては、地球人類と行動を共にしているエクシフとビルサルドの2種の宇宙人類との価値観の違いがあり、これが主人公の決断に大きな影響を与える事になります。

民族間紛争の隠喩のつもりかもしれませんが、唐突に始まる口論などはここまで来てそんな事で喧嘩すんなよという感は否めず、こういう方向に持って行きたいんですという制作側の都合が透けて見えます。

あれだけ「駆逐してやる!」とか言っていたハルオが、映画だし濡れ場の一つぐらい入れとくか的な適当な関係しかないユウコを救うためにゴジラ撃退の絶好のチャンスを逃すというのも説得力がないですね。

CGと音響は劇場で楽しむ価値あり

良い点を挙げると、フルCGのゴジラの描写は迫力があり、デカいゴジラが熱戦を吐くシーンはエフェクトを含めかなりのもの。ナノメタルによる強化で飛行能力を持ったパワードスーツの飛行シーンや音響も劇場版ならではのクオリティです。

他には地球の生き残りの双子少女も民族衣装的な装束や化粧などがなかなかに魅力的です。特にハルオらの見慣れぬ技術に興味津々なミアナの様子がかわいい。今後の活躍に期待できそうです。

ユウコさんは触手に襲われたり侵食されたり、もはやそれ要員ですね。

まとめ

フルCGによるバカでかいゴジラの描写などは迫力があるものの、ストーリー展開は御都合主義的で興をそぐものがあります。

本質的にこの「アニゴジ」はB級怪獣映画をフルCGでド派手にやってみた、という趣向の作品で、細かいことは考えずにゴジラでけーとか言いながら観るのに向いていると思います。

第1章と同様に、本作も公開から2ヶ月後の7月18日にNetflixで配信開始されました。最終章の第3章は2018年11月公開予定なので、2019年の1月には全章が配信される事になります。正月休みに家でゆっくり全部観るというのもいいかもしれません。

Netflix で見る

こちらもオススメ