Netflixでシーズン1となる全6話配信中。海外アニメっぽい見た目ですが制作は東映アニメーション。
内容的にも映像的にも海外のキッズ向けアニメに対する悪いイメージそのままの作品という感じ。子供向けでも尖った作品を作っている東映アニメーションの作品としては残念な出来映えです。
ストーリーは児童向け
最初からグローバル展開を目指しているせいか、見た目からして海外のキッズアニメっぽいですが、脚本の方も随分低年齢層向けに変更されている印象です。
星矢がアメリカのダウンタウン出身なのはともかく、いかにも分かりやすい勧善懲悪としての敵役の設定や、何故かヘリや戦闘機などの近代的な軍隊との戦闘に発展するトンデモっぷりは何ともアメリカンですね。
大まかな筋は一応原作に準拠していますが、端折りすぎて話がよく繋がっていない箇所や、沙織の言葉に簡単に説得される氷河とか、何でその洞窟に入ったのとか、ご都合展開も多いです。どうせ変えるなら原作補完で説得力を増して欲しいところですが、むしろそうはならんやろ感が増しています。
クライマックスのフェニックス戦も、残酷と取られるようなシーンは全てカットされたのか、特に盛り上がりもなくあっさり終わってしまい、これで友情の勝利とか言われてもさすがに子供騙しとしか言いようがないです。せっかく瞬が女の子になったのに蛇に絡まれるシーンも無いし。
CGもプリキュアには及ばず
本作はいわゆるフル3DCGアニメですが、日本で良くあるセル画っぽく見せるレンダリングではなく3Dモデルそのままなので、ゲーム画面のようですね。
さりとてディズニーやピクサーのアニメ映画のようなクオリティというわけにもいかず、これまたよくある海外の子供むけCGアニメのレベルで、アニメ的な躍動感や演出での魅力も感じられません。英語音声のリップシンクは見事ですが、セリフから自動で口の動きが生成されるんでしょうか。まあもっと他に頑張るところあるやろって話なんですが。
手書きの場合とコスト的にどっちがメリットがあるのか分かりませんが、このレベルなら手書きを選択した方が良かったんでは。東映アニメーションとしてはCGのノウハウが欲しかったのかもしれませんが、それなら全編プリキュアのCGエンジンで作った方がまだ良かった気がします。
つづく…のか?
Netflixオリジナルアニメとしてはいつものごとく続きがあるような終わり方で、実際もう決まっているのかもしれませんが、正直原作ファンが喜ぶ出来とも思えません。
最近のNetflixは最後まで見るのもキツいアニメが多いですが、このやり方自体いつまで続くんでしょうね。
聖闘士星矢: Knights of the Zodiac (Netflix)