2022春アニメ ベスト3
1 | SPY×FAMILY
深夜のサザエさん
父はスパイ、母は殺し屋、娘は超能力者で、お互いにそれを隠しているという一見ダークな設定ですが、それを上手くギャグに転化していく展開が秀逸。
子育てのドタバタやアーニャの学校での珍走ぶりは、もはや『サザエさん』的なホームコメディと言ってもいいでしょう。実際EDではパロディっぽいカットも見られますね。
秘密だらけの、血の繋がっていない擬似家族ですが、それによって逆説的に家族愛という普遍的なテーマを描き出しており、これが作品の厚みにつながっています。
特殊な設定から、笑あり涙ありピーナッツありの王道ホームコメディが紡がれていく様は実にエレガントです。
2 | 恋は世界征服のあとで
可愛さよ
いわゆる戦隊もののレッドと敵の女幹部の禁断の恋を描いたラブコメ。
人類最凶レベルに強い死神女王は、実は恋に憧れる女子高生であり、でもこんな自分を好きになる人はいないと落ち込んでいる時と、初めての恋愛に浮かれている時のギャップが可愛い。とても可愛い。
筋肉バカのレッドですが、彼女を受け止められるのは彼しかいないということも次第に明らかになり、納得の破れ鍋に綴じ蓋カップリング。脇を固めるキャラもクセが強く、特に女王シリーズはヤバいのばかりで心なしか中の人たちも生き生きしてますね…
いい話になりそうで落とす所はしっかり落とす、ラブもコメも完成度の高い作品だと思います。
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3 | パリピ孔明
待てあわてるなこれは孔明の罠だ
『三国志』に登場する知将としてお馴染み諸葛亮孔明が、なぜか現代の渋谷に転生し、駆け出し歌手のプロデューサーとしてその才能を遺憾無く発揮してしまうというコメディ。
現代社会への異常な適応力の高さや、上手くいきすぎる策略の数々も、「孔明だから」の一言で済んでしまうというネームバリューの恐ろしさ。
一種の異世界転生ものと言えますが、それらの多くが問題を抱えた現実からご都合設定の異世界へ転生し俺つえーするだけの安直な現実逃避にしか見えないのに対し、この作品は実際に活躍した軍師が現代へ転生し現実の問題を解決するという、ありがちな異世界ものの欠点をひっくり返したような設定になっています。
面白さの理由の一端はこの「策略」にあるように感じます。