Fire TV Stick 4K 買ってみた – 抜群のコストパフォーマンスで4Kが身近に

Fire TV Stick 4K 買ってみた – 抜群のコストパフォーマンスで4Kが身近に

2018年12月12日にAmazonからFire TV Stick 4Kが発売されました。4K HDR対応のFire TVの後継機ですが、スティック化して大幅に小型化するとともに価格も8,980円から6,980円とこちらもスリムダウン。もともとコストパフォーマンスの高い製品でしたが、さらにお買い得感が増してますね。

という訳でホイホイと買ってしまったので、さっそく使ってみた感想を書いていきたいと思います。

まずは設置

物理的な設置はTVのHDMI端子に挿すだけ、といきたいところですが、電源供給のために付属のACアダプタからUSBケーブルを接続する必要があります。HDMIはUSBと違って電源供給できる規格では無いのでこれはしょうがないところ。

ちなみにうちのTVはUSB端子も付いていて、そこにつなげばACアダプタ無しで行けるかなと思ったのですが、「USB電源が十分ではありません」と言う警告画面が出ました。そのままでも使えるみたいですが、ACアダプタを使用した方が良さそうです。

ちょっと困ったのは、スティックとはいえTVのHDMIポートだと隣に挿しているHDMIケーブルと干渉してしまうことです。延長のHDMIケーブルも付属しているのでそれを使えば問題ないのですが、TVの背面は目につかないとは言えちょっと不格好ですね。前モデルは元々本体からHDMIケーブルがだらんと出ているぶら下がり前提のデザインがイケてなかったので、スティックになって解消できる思っていたのですがちょっと残念。4Kじゃない方のFire TV Stickも横幅は30mmと同じサイズなのでこれは同じみたいですね。

続いてセットアップ

セットアップはWi-Fi接続、アマゾンアカウントの設定、TVの音声出力確認、アプリのダウンロードと続きますが、画面の指示通りにすれば特に問題ないと思います。

驚いたのが、アマゾンのアカウントが既に設定されていたことです。アマゾンで発売前に予約注文していたのと、ファクトリーリセットをするとアカウントの設定が消えていたので、出荷時に購入したアカウントを予め設定していたみたいですね。アマゾンも芸が細かいことをするようになったなあ。余計なお世話と感じる人もいるかも知れませんが、IDやパスワードをリモコンでポチポチ入力するのはこの手の製品で最も苦痛な作業なので、こういう工夫は歓迎したいですね。

オーディオ設定

Fire TV Stick 4Kのリモコンには後述するAlexaとともに、TVの音量と電源を操作できるボタンが追加されています。セットアップでの音声出力確認はこの追加機能の確認ですね。実はうちではTVの音声出力を光デジタルでアンプに接続しているのですが、ここで全く音が出ず。TV側の設定でTVスピーカーに出力を切り替えるとちゃんと音が出たのでここはスキップして、セットアップ後にメニューの

設定 > ディスプレイとサウンド > オーディオ > サラウンド音響 > ステレオ

を選択するとちゃんとアンプから音が出ました。このアンプがステレオPCMしか受け付けないヤツなので、そのせいでしょう。そろそろAVアンプ買おうかな…

サウンド設定でステレオを選択するとアンプから音が出るように。

ディスプレイ設定

続いてディスプレイ設定ですが、初期設定だと色深度が8ビットになっているもののテレビ側で情報を見るとHDRと表記されており、実際画像もHDRに見えます。自動でよろしくやってくれているのかもしれませんが、一応テレビの仕様に合わせて設定しておきました。

カラーフォーマットはデフォルトがRGBになっていていますが、Fire Stick TV 4Kが対応していると思われるHDMI 2.0(18Gbps)では4K HDR 50/60fpsの場合ビットレート上RGBは非対応です。せっかくの4K HDR製品なので、ディスプレイ側が対応していればYCbCrにしておく方が良いかと思います。

ディスプレイ設定画面。「オリジナルのフレームレートに合わせる」と「ダイナミックレンジの設定」はお好みで。

4K映像を堪能。ドラマばかりだが…

無事セットアップも終り、さっそくプライムビデオで4Kコンテンツを視聴。4Kコンテンツはサムネイルに「4K」と表示されているのでそれと分かりますね。4Kはデータ量が多いので再生開始直後はHD画質で再生されたりしますが、しばらくすると映像が鮮明になり4K再生に切り替わったことが分かります。確認するには再生中にオプションボタン(≡)を押すと、4Kであれば左下に「Ultra HD」と表示されます。

高精細な4K映像が気軽に楽しめるようになったのは良いのですが、プライムビデオの4K対応作品は今のところPrimeオリジナルをはじめとするドラマ作品がほとんどで、映画は本当に数える程しかありません。Alexaに「4K映画見せて」とお願いしても、リストアップされるのがほとんど4K非対応なのはどうなんでしょう。

競合製品となるApple TV 4Kでは、都度課金にはなるものの最近の映画であれば4Kで見られるものが多いので、映画好きにとっては残念な点です。もっともこれはNetflixでも似たような状況なので、権利上の問題で4K映画がSVODに提供されていないのかも知れませんが。Amazonをはじめとするストリーミングサービスには頑張って欲しいところです。

とりあえず4K映像を色々見てみたいという人は、Vimeoアプリをダウンロードして4Kで検索すると幸せになれるかもしれない。YouTubeとはまた違ったクリーンな世界で心が洗われます。

見せてもらおうか、Alexaの性能とやらを

Fire Stick TV 4Kの大きなウリの一つは、Fire TVシリーズとしては初めて「Alexa(アレクサ)」が日本で正式に使えるようになったことでしょう。

AlexaはiOSの「Siri」やAndroidの「OK Google」と同じ、音声入力によるアシスタントAIです。使い方としては、リモコンのマイクボタンを長押ししながら「今期のアニメ見せて」などと言えば視聴可能な作品がリストアップされます。ちょっと使ってみた限りでは認識精度はなかなかのもので、Apple TVのSiriより使える印象です。

同じくAlexaが使えるスマートスピーカーのEchoシリーズではハンズフリーで「アレクサ」と呼びかけると起動するのですが、Fire TVではリモコンのボタンを押す必要があります。音声認識の利点の一つが損なわれているような気もしますが、電池駆動のリモコンに実装されているので仕方ないところでしょうか。

Alexaの機能はFire TVに限ったものではなく、汎用の音声サービスであるため、例えば「明日の天気は?」と聞くとその場所の天気予報を音声と画像で教えてくれます。Alexaの個々の機能は「スキル」と呼ばれ一般の開発者にも解放されているので、Fire TVという売れ筋の商品に搭載されたことで面白い機能が追加される可能性もあり、今後の成長という意味でも期待できそうです。

Alexaで天気予報も見れる

一つ難点は、Alexaがアプリ内検索に使えないことです。例えばNetflixのアプリ内検索メニューでも検索語を音声入力するということができず、Fire TV全体での検索になってしまいます。これはApple TVでは可能なので今後の対応に期待したいです。

その他使い勝手など

前モデルの4K対応Fire TVに比べても反応がサクサクになっており、使っていてストレスを感じることはありません。これで4K HDRやDolby Atmos対応で6,980円というのはお買い得以上のものを感じます。

競合製品としてはApple TV 4Kが挙げられますが、お値段は19,800円からと3倍近い差があります。Apple TVは4Kネイティブな美しいUIに快適な操作体系で、そもそもコンセプトが違うというか値段に見合った価値があるとは思いますが、コストパフォーマンスという点ではFire TV Stick 4Kに軍配を上げざるを得ません。

一時AmazonとGoogleの確執からYouTubeアプリが利用できませんでしたが、2019年7月9日から再び利用できるようになりました。YouTubeは4K動画も豊富なので、これが本来の姿とは言え歓迎したいです。

まとめ

メリット😍

  • 圧倒的なコストパフォーマンス
  • Alexaの正式搭載

デメリット🤔

  • 4Kコンテンツがドラマに偏っている
  • アプリ内で音声入力できない

とにかくコストパフォーマンスは抜群で、非4KのFire TV Stickと比べても2,000円しか差がなく、新しく買うなら4Kディスプレイがなくてもとりあえず4Kにしくかと気軽に購入できる価格設定は魅力です。

Alexaの搭載も嬉しいところで、細かい使い勝手も今後のアップデートで改善されて行くと思います。4Kコンテンツに関しても徐々に拡大して行くでしょう。