『B: The  Beginning』レヴュー – Production I.GのNetflixオリジナル第一弾

『B: The Beginning』レヴュー – Production I.GのNetflixオリジナル第一弾

DEVILMAN crybaby』に続いてNetflixのオリジナルアニメ『B: The Beginning』が公開されました。全12話配信中。

早速見たので極力ネタバレは避けて感想を書いていきますよ。

Netflix×Production I.Gの第一弾

先日NetflixとProduction I.G、ボンズとの業務提携が発表されましたが、『B: The Beginning』はProduction I.GのNetflixオリジナルアニメ第一弾となります。

3月9日にはボンズの『A.I.C.O. Incarnation』も公開され、Netflixのオリジナルアニメも徐々に増えてきましたね。

おそらく今後数年はProduction I.Gとボンズの作品がコンスタントにNetflixで配信されるのではないかと思われるので、その幸先を占う意味でも注目される作品です。

基本設定

基本的なストーリーは、「キラーB」と呼ばれる連続殺人犯の正体を天才的な捜査官であるキース・フリックが追う、というプロットになっています。クライムサスペンスとしては王道ですね。

ただ、いわゆるクライムサスペンスと違うのは、異能の力を持った人外キャラたちが物語の鍵として登場するところ。

猟奇的な犯罪とアニメ的な異能力者を絡めたところがこの作品の特徴と言えます。

サスペンス部分は見応えあり

キースが連続殺人の真犯人に迫っていくサスペンス部分は結構よく出来ていて思わず引き込まれる話数も多かったです。

若干ネタバレになりますが、組織内の内通者の存在や追う立場が追われる立場になったり、王道ですが見応えのあるストーリーに仕上がっていると思います。

作品の方向性としては『PSYCHO-PASS サイコパス』に近く、「サイコパス」が好きな人は楽しめるのではないでしょうか。

枯れたオッサンが若手の女性のサポートで犯罪者を追い詰めるという構図も良く似ていますが、これは設定上こうならざるを得ないですかね。

作画はさすがのI.Gクオリティ

アクションパートはさすがProduction I.Gといったところで魅せますね。わざわざ雨の降る湖で戦闘したりするあたりあざとい。

日常的な芝居でもおっと思わせるところもあり、全体的にクオリティが高いです。

全話を通して作画が崩れる部分もなく、全て完成してから公開されるNetflixの利点が生かされているのかも知れません。

異能力者の皆さんの場違い感

この作品の特徴は、クライムサスペンスといかにもアニメらしい異形の能力者を組み合わせた点ですが、これが奏功したかは疑問ですね。

キャラデザや設定はなかなかに中二感が漂っており、それ自体はまあいいんですがシリアスなクライムサスペンスと組み合わせるのは無理があった印象です。

派手なバトルシーンが描けるなどアニメーション的なメリットはあると思いますが、本筋に合わせてリアル寄りな設定の方がよかったのではと感じます。

サスペンス部分の出来が良かっただけにちょっと残念ですね。

つっこまざるを得ない

黒髪の美少年がバイオリン修理工房でバッハを弾いているところは9割の人が「聖司くんかよ!」とつっこむこと請け合い。

それから、小難しげな数式を書いとけば頭が良く見えるだろうという安易な風潮はいかがなものですかね。ちょっとした伏線にはなっているものの、どう考えても推理や捜査には無関係で無理があると思うんですが。

あとプログラマーはあんな運指をしない。キーボードとペダルを操作してるのはちょっと面白かった。オルガンかよ!

残酷描写にはご注意を

内容がサイコな連続殺人を扱っているため、常識の範囲内とは思いますがグロ描写は多めです。

Netflixのみの配信なのでテレビ放送のように一般視聴者に対する「配慮」的な処理もされていません。

表現の自由度が高いという点ではメリットなんですが、そういうのが苦手な人は要注意です。

総評:★★★★★★★☆☆☆ 7/10

  • 連続殺人の真犯人に迫っていくストーリーは中々の出来
  • アクションパートはさすがI.Gといった感じで見所満載
  • 中二感溢れる異能力者が裏目に出たか

各要素としては良く出来ている部分も多いので、魔眼使いとか封印した左手が疼いたりする人にはハマるかも知れません。

Netflix で見る

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