2020冬アニメ ベスト5
01 | 映像研には手を出すな!
架空の世界の高校で、女子高生たちがアニメを作るといういわば学園部活モノですが、湯浅政明監督だけあって一癖も二癖もある作品になりましたね。
浅草氏の妄想が水彩画タッチのアニメーションで描かれ、彼女たちの作ったアニメ自体も流れ、それを作っていく過程そのものがアニメであるという多重にメタな構造になっており、あらゆるイメージを形にできるというアニメーションの根源的な魅力を表現しようとしているように感じます。
一方でいかに効率的にアニメを作るかという金森氏的な視点が徹底されている感もあり、そういう意味でもメタな作品と言えるかも知れません。
力の入ったカットがある一方で明らかに抜いたカットもあり、全体としては80点を目指した作品のようにも感じられます。しかしTVアニメで80点を取れれば覇権候補というのも事実であり、また実際に狙って80点取れるスタジオがどれほどあるのかを考えればこれぞプロの仕事と言えると思います。
とはいえ湯浅監督のサイエンスSARUは最近仕事しすぎのような気もします。その生産性はもう十分に証明されたと思うので、ここらで腰を落ち着けて100点を狙った作品も見たいというのも正直なところです。
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02 | 推しが武道館いってくれたら死ぬ
岡山のローカルアイドルとそのファンの人間模様を描いたコメディ。
一番地味なメンバーに一番ヤバイファンがつくというギャップで話が回って行きますが、お互いに「善きファン」「善きアイドル」であろうとし、それ故に生じるすれ違いが面白くももどかしい。
ギャグも面白いですが、こういう作品にありがちなアイドルの闇とかやっかいオタクとかのネタに走らないのも好印象です。アイドルとそのファンという関係でも、好きになる気持ちは純粋であるという点に主眼が置かれており、それはファンタジーかも知れませんが、安心して見ていられるし見ていて気持ち良いです。
キャラデザがだいぶ原作に寄せていて大変そうですが、これで最後まできっちり走りきったのはすごい。監督は「ヤマノススメ」の山本裕介で、さすがのクオリティコントロールですね。そういう意味でも安心して見ていられます。
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03 | ドロヘドロ
変な世界で変なキャラが変な事してる、よく分からんけどなんか面白いアニメ。それがドロヘドロ。
魔法使いに頭部をトカゲにされたカイマンがその犯人を探すという一応の大筋はありますが、唐突に始まるやきう回とか、ガンギマリのOPとか、ストーリーというよりはその独特の世界観とセンスを楽しむ作品でしょう。作者もストーリーとかどうでも良さそう。
キャラはCGがメインみたいですが相当にこなれていて、ここまで違和感を感じさせないアニメも少ないですね。さすがMAPPA。
いいところで終わってしまいましたが、これは続編に期待。
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04 | ソマリと森の神様
人類が他の種族から迫害されている世界で、ラピュタのロボット兵のように森を守っていたゴーレムが偶然拾った人間の少女と旅をする物語。
ソマリの無邪気な可愛さと、徐々に感情が芽生えていくゴーレムとの心の交流という鉄板の展開は正直目新しいものではないですが、それでも心を捉えるものがあります。
親の役割というのは、子供が自分を必要とせずに生きていけるようにすることであり、ある意味自己否定的な行為でもあります。血の繋がらない親子、遠からぬ死期を知っている父というこの作品の設定が、この点を強く意識させるからかも知れません。
物語のラストとしては当然親子の別れになるわけですが、原作も続いているのでアニメとしてはおれたたエンドなのはやむなしですね。こういう話はどうしても最後まで見たくなってしまうので、完結までアニメ化されるといいんですが。
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05 | 群れなせ!シートン学園
およルンの声がするフワー!!
ケモナーアニメの良作が続いている(一つの例外を除いて)昨今ですが、その群れにまた一匹加わったようです。
動物の「へぇ〜」な豆知識をうまくギャグに展開していく構成で、色んな動物が出てきてすったもんだのドタバタコメディ。ノリもテンポよく、何も考えずに見られるギャグアニメ枠として楽しめます。ライオンとインパラの道ならぬ異種間交流の続きが気になるところ。
あとヒトのオスはクズ。
OP・ED大賞
OP | 映像研には手を出すな!
いかに手間をかけずに印象に残る映像を作るかというお手本のようなOP。作ろうと思ってもなかなか作れるものではない。多分。これなら金森氏も満足でしょう。
OPフルで公開して欲しかったけど。
ED | 群れなせ!シートン学園
声を重ねるフワー!!(独り)