2019 ベストアニメ

2019 ベストアニメ

平成最後の、そして令和最初の年となった2019年。今年一年を振り返り、個人的に面白かったアニメ10作品を挙げてみました。

01 | ダンベル何キロ持てる?

筋肉は裏切らない。動画工房も裏切らない。

ガチなトレーニング知識を語るマッチョなお兄さんと、内容に関係あるのかないのか最早よく分からないJK(とおねいさん)のエロいカットが渾然となってまさにケイオス。

ギャグとしては割とベタなんですが、ハイクオリティな作画と演出で第一級のエンタメに仕上げてしまういつも通りの動画工房マジックが光ります。山﨑みつえ監督は『月刊少女野崎くん』の人でもあり、さすがの手腕といったところか。ギャグの演出もキレてるよ!

あとはファイルーズあいを見出した功績も大きいですね。

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02 | 荒ぶる季節の乙女どもよ。

モテない文芸部の女子部員が、ある一言をきっかけに荒ぶる春の嵐に巻き込まれたり巻き込んだりする話。男の性欲とか恋人ができて手の平を返す女とか、わりと赤裸々な内容ですが、ちゃんと笑いとして成立していて嫌味を感じずに楽しめるのはなかなかすごい。

脚本が岡田麿里だとどうしても昭和の昼ドラ的なノリに陥りがちなんですが、今回は題材のおかげか青春群像コメディとしてうまくハマって(意味深)いて、かなり面白かった。これは演出含めてアニメスタッフの功績も大きいような気がします。

謎の光が活躍するアニメは多いものの、セックスをまともに扱った作品は極端に少ないような気もするので、そういう意味でも異彩を放っていると言えるかも知れない。

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03 | さらざんまい

『ユリ熊嵐』以来となる幾原邦彦監督の新作アニメ。百合から一転ホモホモしい内容でしたが、ケレン味溢れる映像表現は健在。バンクがひどいw。アニメでしか表現できないイクニイズムは相変わらず他の追随を許さないですね。

謎の多い展開も相変わらずですが、ギャグとしてもシリアスとしても楽しめ、映像のみならすストーリーテリングの面白さも第一級。ただ、隠喩に隠喩を重ねるような過去作品に比べれば本作は分かりやすく、メッセージ性よりは純粋にエンタメを目指したようにも感じます。

それにしても幾原監督は本当に外れ知らずでどの作品も面白く、独自の演出法が確立しているとは言え驚異的。同時代に生きていて良かったと思わせてくれる数少ないクリエイターです。

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04 | 上野さんは不器用

中学生の科学部部長である上野さんが、ドラえもんのひみつ道具ばりの発明能力で意中の男子をエロで釣ることに全力を傾けているという清涼感あふれる青春群像劇。

アプローチを受けている田中くんはサイコパス純朴な少年で、好意に全く気づかないのがもどかしくもあまずっぱいですね。たまにまともな事を言い出すのが怖い。色仕掛けは通じないと分かっているはずなのに懲りない上野さんは、田中くんが気づかないのをいい事に自分の性癖を満足させようとかそういう訳じゃなく、不器用なだけなんです。思春期だからね。仕方ないね。

しかし普段は攻め攻めの上野さんも肝心のところで日和ってしまうのは年相応で可愛いぷり。

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05 | 私に天使が舞い降りた!

百合姫×動画工房ということで期待はしていましたが、カワイイも極めればここまで来るかというクオリティで、もはや様式美の世界。

ジャージメガネの半引きこもりみゃー姉のダメ人間っぷりと、無邪気な小学生ズの織りなすコメディも楽しいですが、アニメの作画や演出も細部まで目が行き届いた密度の高い作品でした。

カワイイだけかと思いきや、恐怖の全話皆勤賞の松本に小学生が学校で緊縛プレイとか、そこはかとない闇が漏れ出ているのはさすが百合姫懐が深い。

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06 | 旗揚!けものみち

重度のケモナープロレスラーが異世界に召喚され、魔獣どもをモフり倒して懐柔するという異色のギャグアニメ。

尻姫の爆誕から始まり、勇者はモンスターを倒すもの的な固定観念を破壊していくトリックスター的笑いと、奥さんとの不倫未遂などのベタな笑いの絶妙なブレンドが楽しい。

漫画の原作は、異世界モノのアニメ化ではほぼ唯一の成功例と言ってもいい『この素晴らしい世界に祝福を!』の暁なつめ。本作もテンプレをむしろオリジナリティを強調するためのツールとして使いこなしており、このジャンルとしては他を圧倒する面白さでした。これが才能の違いなのか。

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07 | ハイスコアガールII

高校生編になって急にドロドロした三角関係の展開になりましたが、遂に完結。日高さん渾身の女の武器が盛大に空振りするのは涙無くしては見れない。毎回毎回引きの強い終わり方で、話の緩急も上手いので見入ってしまいますね。

結局この話は、囚われの姫を勇者が救い出すプリンセス・エスコート・ストーリーであり、この軸がしっかりしているからこそ面白いと思う。大野さんがシータでハルオがパズーなわけです。それがビデオゲームの黎明期というノスタルジックな世界とドンピシャでハマったというか、ハメた作者の力量がすごい。

日高さんはいい子だし、すぐにいい相手が見つかると思うよ。え?スピンオフ?どれどれ…

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08 | フライングベイビーズ

ポップな色彩とキュートな絵柄が縦横無尽に動き回り、見ているだけでとにかく楽しい。常に宙に浮いているフィンランド人や突然始まるドラゴンボール的バトル等々、1カットごとにネタが仕込まれているのではないかという遊び心満載なのも素晴らしい。

温泉街でまったり過ごしていた女子中学生がフラダンス部を作って大会を目指すという大筋はありがちですが、ストーリーは有って無いようなもの。イマジネーションをカタチにするというアニメーションの面白さの原点を思い出させてくれます。

日常系ニンジャスレイヤーとでも呼ぶべき異端のアニメ。1話5分でサクッと見られるので未見の人は是非。

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09 | 約束のネバーランド

幸せを絵に描いたような孤児院から急転直下、子供たちが衝撃の事実を知るという1話の構成が完璧とも言える出来で、いきなりその世界に引き込まれます。

そこまで近代化されていない、子供たちがギリギリ脱出できるかどうかという世界設定の上手さや大人たちとの駆け引き、知略と勇気を振り絞る子供たちの姿は、アニメ化に際しての緊迫感のある演出もあって脱出劇としてなかなか見ごたえがありました。

ただ、後出しの展開やあからさまなミスリードも多くズルズル引き延ばしている感じで、アイデア的にはもう少し短いスパンの話なのではとも思います。結局1話が一番面白くて、その後は尻下がり気味なのは惜しいですね。この辺は週刊少年ジャンプ連載というのが裏目に出ているんでしょうか。

2期が2020年10月からと発表されましたが、あの1話の面白さを超えられるや否や。

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10 | キャロル&チューズデイ

『カウボーイビバップ』などを手がけた渡辺信一郎が総監督を務める作品。音楽を通じて偶然出会った二人の少女がミュージシャンとして大成するまでを描きます。

ストーリー的には王道のサクセスストーリーですが、1話の冒頭から煽っていた「奇跡の7分間」が最終話のラスト7分で実際に展開されるという綺麗な構成。たまにしょうもないネタが入るのは監督の趣味なんでしょうが、2クール以上が普通だった昔のアニメっぽい寄り道の多い展開もまた良し。

音楽をテーマとしたアニメは多いですが、演出でいい曲っぽく見せるのではなく、純粋に音楽が素晴らしいと思わせる稀有な作品。OP・EDも独特の味のある映像で楽しめました。

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