2021秋アニメ 勝手にベストアニメランキング

2021秋アニメ 勝手にベストアニメランキング

2021秋アニメ ベスト3

1 | 古見さんは、コミュ症です。

超絶美少女だけどとんでもないコミュ症だった古見さんと、彼女に友達を作ろうとする只野くんたちのドタバタコメディ。ギャグアニメの生命線とも言えるテンポ感が非常に良く、演出・作画とも安定の出来栄えです。

人付き合いが苦手ながらなんとか奮闘する古見さんの可愛さもさることながら、このアニメの真骨頂は古見さんの周りのキャラのヤバさ、そして中の人の怪演にあると言えるでしょう。特にキュアラメール山井さん。ご時世的に収録は別録りだと思いますが、このキャストならそろって収録していたらもっとエスカレートしてさらに面白いことになってたんじゃないかと思わせます。

一方ヒロインの古見さんはハイスコアガールの大野さんばりにしゃべらない訳ですが、この「声にならない声」はこれはこれで何かが目覚めそうというか、ASMR音源として新たな領域を切り開いているような気がしなくもない。

2期の制作も決まったということで、より振り切れた面白さを楽しみにしています。

Netflix で見る

2 | 王様ランキング

冒頭「裸の王様」を思わせるシーンがありますが、実際この作品はおとぎ話のようなスタイルで描かれています。しかし、話が進むにつれてなかなかディープな展開を見せ、大人も子供も楽しめる内容になっていると思います。

王様ランキング1位のボッス王の長子として生まれるも、生まれつき耳が聞こえず非力なボッジは王の器ではないと見なされます。ついには城を追われますが、その旅の過程でボッジは大きく成長することになります。

この世界にはただ悪いだけの悪人も、聖人のような善人も登場しません。皆それぞれに自分の弱さと悩みを抱えて生きており、それはつまり程度の差はあっても結局はボッジと同じということです。そして、もっとも持たざる者がもっとも強い王であるという逆説的な物語は、人間にとって真の価値とは何かをストレートに問いかけます。このストレートさゆえに見る人の心に響くものがありますね。

欲を言えば、教訓的童話の域を出ていない感もあります。おとぎ話は本来の形では残酷な描写があるものも多いので、よりつっこんだ表現があってもよかったかなとも思いますが、2クール目も期待。

プライムビデオ で見る

3 | ブルーピリオド

東京藝術大学を目指す高校生の話で、一種の部活ものとも言えますが、非常な高倍率で知られる藝大受験の内幕という知られざる世界が垣間見られます。

「ブルーピリオド」はピカソの青の時代から取られているのでしょうが、青春時代という意味合いもあるでしょう。まだ何者でもない存在が、何者かになろうとしてもがき苦しむ、あの先の見えない焦燥感や根拠のない自己肯定感などが混ざり合ったザワついた感覚がうまく表現されていると思います。そして何より、このクソみたいな世界で好きなものが見つけられた人は幸いである、と強く感じさせます。

こうしたストーリーはよくできていると思う一方で、古典的と言っていい青春群像劇・成長物語であり、計算で作られている面白味の無さを感じることもあります。これは作中で語られる八虎の絵と同じです。とは言えこうして漫画もアニメ化され、一定以上の成功を収めているのも確かで、これも八虎と同じと言えます。

天才には勝てないというのは厳然たる事実かも知れませんが、それでも戦い方はあるというのがこの作品のもう一つのメッセージなのかも知れません。

Netflix で見る

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