定額見放題の動画配信サービスとしては定番のHulu。アニメ作品も多くあります。
日テレ系列なので「コナン」や「アンパンマン」など子供向け作品が多い印象もありますが、深夜アニメから過去の名作まで結構品揃えは豊富です。
そんなHuluで配信中のアニメからオススメの作品を10本あげてみました。
ダンベル何キロ持てる? (2019)
筋肉は裏切らない。動画工房も裏切らない。
ガチなトレーニング知識を語るマッチョなお兄さんと、内容に関係あるのかないのか最早よくわからないJK(とおねいさん)のエロいカットが渾然となってまさにケイオス。
ギャグとしては割とベタなんですが、ハイクオリティな作画と演出で1級のエンタメに仕上げてしまういつも通りの動画工房マジックが光ります。山﨑みつえ監督は『月刊少女野崎くん』の人でもあり、さすがの手腕といったところか。ギャグの演出もキレてるよ!
あとは天さんやほっちゃんと互角に渡り合う演技が名前より大きな衝撃を与えた、色んな意味で大型新人なファイルーズあいを起用した功績も大きいと思う。
ゆるキャン△ (2018)
いつも一人でキャンプしているリンちゃんと、高校の野外活動サークルに所属するなでしこの、付かず離れずなゆるい関係性が心地良いですね。
日常系のアニメだと同じ部活の仲良しグループといった閉鎖的な世界になりがちですが、それぞれが好き勝手な行動をしつつもどこかで繋がっているという絶妙な距離感が尊いです。互いに離れていてもスマホで写真やメッセージを送り合う小道具の使い方も上手いですね。
妙に美味そうなキャンプ飯や冬のキャンプ場の独特の雰囲気を丁寧に描くことで日常の中の非日常を生き生きと表現し、新鮮さを失わない開かれた世界を描くことに成功しています。
けものフレンズ (2017)
2017年に一番話題になったアニメ。
多彩なキャラクターによる魅力と巧みなプロットで、気付けば引き込まれていること請け合い。
毎回動物を原作とした様々なキャラが登場しますが、みんな嫌味のない愉快な性格で巻き起こる騒動もまさに「たーのしー!」ものです。「ケロロ軍曹」で知られる吉崎観音によるキャラクターデザインも素晴らしい。
記憶のないカバンちゃんが自分が何者であるかを知るために旅をし、行く先々で様々なフレンズと出会いながら成長して行くというストーリーは王道のロードムービーそのもので、クライマックスからのカタルシスは涙無くして見れません。たつき監督のストーリーテラーとしての才能が遺憾なく発揮されていますね。
2期なんてなかった、いいね?
ふらいんぐうぃっち (2016)
青森の親戚の家に魔女見習いがホームステイしに来るというお話。隠れた名作の代表格です。
青森のゆったりした雰囲気と豊かな自然の中に、ちょっと不思議な魔法の世界が溶け込んでいるほっこりファンタジー。『魔女の宅急便』の舞台を青森にした日常系という感じでしょうか。
青森の自然やキャラクターのちょっとした動きの描写なども丁寧に描かれており映像のクオリティも高いですね。フキノトウの天ぷらが異常に美味そう。
最近の殺伐とした魔法少女モノに辟易している人には特にオススメ。まったり見ながら2期を待ちたいと思います。
シドニアの騎士 (2014)
弐瓶勉の原作漫画をポリゴン・ピクチュアズがフルCGでアニメ化。この作品の成功を期に2期である「第九惑星戦役」、同じく弐瓶勉の『BLAME!』の映画化と、一躍ポリゴン・ピクチュアズが日本のアニメシーンに躍り出る契機にもなりました。
原作のハードなSF設定を基にした宇宙船やロボットの描写や空間表現がCGを生かしてうまく再現されていますね。人物の柔らかい表現も実現しており、CGもここまで来たかと放送当時感じたことを覚えています。
またハードSFながら割とコテコテのラブコメなのも特徴で、ヒトが雌雄同体で相手に合わせて性別が変化するよう進化しているという業の深い設定になっていたり、ラブコメ方面でもSFの利点を十二分に発揮しています。あとヒトが光合成も出来ます。光合成するときは全裸です。ですよね。
フルCGで表現されるハードSFラブコメという、未来を感じさせてくれる作品。
てさぐれ! 部活もの (2013)
「中の人」の言動を3GCDモデリングでアニメとして再現するという、今思えばバーチャルYouTuberの原型とも言えるスタイルのアニメ。CGの発達と共に同様の試みの作品が作られてきましたが、その中でも奇跡のキャスティングが生んだまさにミラクルな作品になっています。
シナリオパートもありますが、やはり真骨頂はアドリブパートで、西明日香、明坂聡美、荻野可鈴、大橋彩香という4人のキャストが繰り出すネタの応酬は抱腹絶倒必死でそこら辺のお笑い番組より数段面白い。
中の人のアドリブがメインなのにアニメにする必要があるのかという疑問もありますが、やはりキャラクター性の重要さは最近のバーチャルYouTuberを見ても理解できるかと思います。
と思ったけど実写のDVD出てた。
あの夏で待ってる (2012)

長野県小諸市を舞台とした、高校生たちの一夏の経験を描いたオリジナルアニメ。
突然転校してきた女の子が実は宇宙人だったというトンデモな設定から生まれるドタバタコメディと、メインの二人以外全て片思いしているという切ないすれ違いの恋愛模様とのバランスが素晴らしい。
監督は長井龍雪、キャラクターデザインは田中将賀と、タイトルを含めて『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』を想起しますが、脚本は岡田麿里ではなく黒田洋介がメイン。湿っぽくなりすぎない王道のラブコメで演出や作画的なクオリティも高く、長井監督の作品では一番好きかもしれない。
いちゃつくバカップルをよそに健気な負けヒロインの柑菜がやたら可愛いんですが、田中将賀の青髪キャラは幸せになれないというジンクスの最たる例でもあります。
ちはやふる (2011)

「競技かるた」という珍しい題材を扱った作品。
競技としては珍しいですが、少年漫画のスポ根モノのような王道のプロットで、友情・努力・勝利を地で行くストーリーとなっています。一方で女性主人公を中心に微妙な三角関係が描かれるなど、少女漫画特有のメソッドも健在で、スタイルとしては『タッチ』などのあだち充作品に近いかもしれません。
一度見だすとそのアツい展開に目が離せなくなり、ついつい最後まで見てしいます。相反しがちな要素を巧みに料理し一級エンターテイメントとして仕上げているのが多くの人の支持を得ている要因だと思います。
広瀬すず主演の実写映画版も配信されているので気になる方はそちらもどうぞ。
のうりん (2010)

農林高校の愉快な日常を描いたハイテンションラブコメ。
濃すぎるキャラが入れ替わり立ち替わり登場しますが、白眉は何と言ってもベッキーでしょう。アラフォーの独身女性教師なんですが、その常軌を逸したぶっ飛び具合はアニメ史上でも屈指の狂人キャラだと思います。このキャラを演じきった斎藤千和は本当に凄い。プロの仕事を見たわ…
様々な漫画やアニメのパロディも満載で、アニオタ、漫画オタほど楽しめると思います。「美味しんぼ」ネタは酷かった。
原作者の白鳥士郎は最近『りゅうおうのおしごと!』もアニメ化されましたが、そちらは将棋を題材にしたせいかシリアス展開を入れざるを得ず、コメディとしては中途半端でシリアスはリアル将棋の方がよっぽど面白いという消化不良感が否めません。『のうりん』の方がその持ち味を遺憾なく発揮できており楽しめます。
闘牌伝説アカギ 闇に舞い降りた天才 (2005)

倍プッシュだ・・・!
原作漫画はついに完結しましたね。鷲巣麻雀編に至っては20年越しの決着となりましたが、読者も作者もそこまで惹きつける何かがアカギにはあります。
大金や、ついには自分の命まで懸けたギリギリの真剣勝負での心理戦の描写はまさに息を呑む緊迫感。アカギの天性の博打の才に加え、その思い切りの良さ、望んだものを手に入れるためにその他の全てを捨てられる覚悟は漢気に溢れており痺れます。
敵キャラもチンピラの雑魚から鷲巣様まで、その描写は滑稽でありながら悲哀に満ちており、究極の選択を迫られた時の人間の弱さの描写は少なからず自分を重ねてしまう真実味があります。
「死ねば助かるのに」や「狂気の沙汰ほど面白い」など次々と飛び出すアカギの名言も見所。
※配信作品は 2020年01月20日時点のものです。配信期間が終了した場合視聴できなくなるのでご注意ください。