2018年7月3日からAmazon Prime Videoチャンネルでdアニメストアが利用できるようになり、さっそく加入して使ってみた感想を書いてみたいと思います。
Amazonプライム会員向けのサービスですが、dアニメストアのアニメがプレイステーションやApple TVでも見られるようになるというインパクトは結構大きいのではないかと思います。
Prime Videoチャンネルとは
最初に「Amazon Prime Videoチャンネル」の説明を少ししておくと、2018年6月14日から始まったAmazonプライムの会員が利用できる動画配信サービスです。
アマゾンは独自にAmazonプライムビデオを提供しており、プライム会員は追加料金なしで対象となる動画が見放題となりますが、Prime Videoチャンネルはそれに加えてアマゾン以外のサードパーティのコンテンツをチャンネル毎に追加の月額料金を払うことで視聴できるようになるサービスです。
言ってみればAmazonマーケットプレイスの動画配信版ですね。
本家dアニメストアとの違いは
で、早速加入して使って見たので基本的な情報を本家と比較しながら列挙してみます。
月額440円(税込)
これは本家のdアニメストアと一緒です。リーズナブルでステキです。
ただしAmazonプライム会員向けのサービスなので、会員でない人は別途プライム会費として月額500円(または年額4900円)が必要になります。
初回30日間無料
こちらも本家と同じですね(正確にいうと本家は31日ですが)。既に本家のdアニメストアを利用していても、アカウントが別扱いなのでPrime Videoチャンネルとしては初回は無料です。
またAmazonプライム自体も初回30日間は無料お試し期間となります。
本家とは別料金
支払いはAmazonプライムのアカウントと紐づけられ、本家のdアニメストアの会員であってもアカウント連携などはできないようで、別途料金が発生します。ここはちょっと残念。
逆に言えばアマゾンのアカウントで支払いを一本化できるのはメリットと言えるかも知れません。
作品数は本家よりやや少ない
発表ではサービス開始時点で作品数は約1500という事でしたが、サービス開始後も作品数は増え続けています。本家の4000作品にはまだ及びませんが、今後も作品が増えていくことは期待できそうです。
参考までに今期(2021秋アニメ)の作品で、プライムビデオで見放題なアニメにプラスしてdアニメストア for Prime Videoで見られるようになる作品を以下にまとめました。
Amazonプライムビデオの動画として視聴できる
最大の違いはここでしょう。
プライムビデオ内での提供となるため、プライムビデオのアプリからdアニメストアの動画が視聴できます。検索結果などではプライムビデオの配信タイトルに並んでdアニメストアチャンネルの動画も同列に表示されるので、作品が充実して便利です。アプリの操作感もプライムビデオの方が使いやすいので、特に既に両方利用している人にとっては視聴を一本化できるのは大きな魅力だと思います。
また次に詳しく述べますが、プライムビデオアプリはdアニメストアに比べて対応するデバイスが充実しているため、より多くの環境でdアニメストアのアニメが視聴可能になります。
アカウントは本家と紐づいていないので、今までdアニメストアを使っていてもその視聴履歴などは同期されたりしませんが、Amazonプライムビデオでのこれまでの視聴履歴はdアニメストアチャンネル内のみでの配信となっても引き継がれるようで、プライムビデオ内ではシームレスな扱いとなっているようです。
画質など
いくつかの作品を見ましたが、画質はdアニメストアのアプリで見るものと同程度だと思います。ただdアニメストアのあのサイコロのウォーターマーク(ロゴ)は表示されません。あれが邪魔という人には好都合かも。
PS4やApple TVでもdアニメが見られる!
さて「dアニメストア for Prime Video」と言っても、プライムの会費の上にdアニメの会費も必要で、何がいいのと思う人もいるかもしれませんが、このサービスの最大の利点は対応プラットフォームの多さでしょう。
Prime Videoチャンネルはプライムビデオのアプリから視聴可能になっており、プライムビデオのアプリはメジャーなデバイスにはほぼ全て対応しています。
PC | スマホ (iOS, Android) | Fire TV, Android TV | PS4, PS3 | Apple TV | |
dアニメストア | ◯ | ◯ | ◯ | × | × |
Amazonプライムビデオ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
Hulu | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
Netflix | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
dアニメストアはiOSやAndroidには専用アプリがあるので、スマホで見ている場合は問題ないのですが、いざテレビの大画面で見ようと思うとアプリがあるのはFire TVとAndroid TVだけ。プレイステーションやApple TVのユーザーの中にはアプリの登場を首を長くして待っている、あるいは諦めたという人もいるのではないでしょうか。
例えばアニメファンにはPS4のトルネで録画したものを見ている人も多いと思いますが(私もです)、PS4にdアニメのアプリがあれば録画できないものはそっちで見られて便利なのにと思った事はありませんか(私はあります)。それがPS4のプライムビデオアプリ経由という形で可能になったわけです。
今後のことを考えても、例えばアメリカではNintendo SwitchでのHuluアプリが既に提供されており、日本でもSwitchで動画配信が見られるようになる可能性があります。その場合アマゾンはほぼ確実に対応してくると思われますが、dアニメストアとしての対応は絶望的と言っていいでしょう。それでもPrime Videoチャンネルがあれば視聴可能になります。
アマゾン最強伝説の始まりか
映像コンテンツはネットで見るという視聴スタイルが定着していく中、NetflixやAmazonのようなグローバル企業はともかく、次々と登場する新デバイスの全てに対応するのは難しい動画配信サービスも多いと思います。
実際にdアニメストア以外でもプレイステーションやApple TVには対応していない日本ではメジャーなサービスもありますし。
またdアニメストアのiOSアプリはアップデートが遅いのも不満の一つで、iPhone Xでの表示が最適化されるのに発売後半年近くかかった記憶があります。
Prime Videoチャンネルのようなサービスのメリットは、そうしたプラットフォーム対応はアマゾンに任せて、コンテンツの充実という配信サービスとして本来の仕事に集中できることにあると思います。
「dアニメストア ニコニコ支店」ができた時に、ドワンゴはこの方向でプラットフォームの提供者になれれば成功できるのではと一瞬思いましたが、Apple TVのニコニコアプリではdアニメストアが見られなかったり残念な感じで、そうこうしているうちにアマゾンが颯爽登場して美味しいところを持って行きそうな感じですね。さすあま。
今は配信サービス毎にアプリがあるのが当たり前のような感じですが、一つのアプリで完結するならユーザーとしてはその方が便利ですし、サービス側もデバイス対応のコストが削減できるメリットがあると思います。こうした統一的なプラットフォームはまさに「動画のマーケットプレイス」として今後成長していくのかも知れませんね。

まとめ
メリット😍
- プライムビデオアプリ内でシームレスに視聴できる
- PS4やApple TVなどのマルチプラットフォーム対応
デメリット🤔
- プライム会員である必要がある
- 作品数が本家よりやや少ない
PS4やApple TVをメインとして使っているアニメファンには朗報と言え、加入を検討する価値があると思います。
また、特にAmazonプライムとdアニメストアに既に加入している人はPrime Videoチャンネルで一本化できれば視聴もシンプルになっていいかも知れません。
まだ開始して日が浅いので本家に比べて作品数が少ないのが気になりますが、今後作品が充実してくればアニメファンにとって最強の組み合わせとなる可能性もあるサービスだと思います。
dアニメストア (本家)